「インディと私」〜それぞれのStory〜
  
中野信治「来年こそは勝負出来る体制で臨む」
Profile
1971年4月1日生まれ。大阪府出身。11歳からカートを始め、97年には日本人5人目となるF1フル参戦を果たす。この年、6位入賞2度。2000年からは戦いの舞台をアメリカに移し、CARTへ参戦。02年には4位入賞をマークする。IRL1年目となる今年の成績は、インディ ジャパン11位、インディ500 14位  >>公式ホームページ
練習走行すらままならない状況での参戦となった今年 しかし、インディジャパンでは一時8位を走行し、実力ぶりを大いにアピール

―まずは現在の活動状況を教えてください

今年、インディカー・シリーズのもてぎ戦とインディ500の2レースに参戦し、それ以降も継続参戦できるように活動を行っていたのですが、なかなか良い手応えがなくて。8月を過ぎたあたりから、今年無理してシートに滑り込むより、来年のことを考えた活動にシフトしました。

―これまでのカテゴリと比べ、今年参戦したインディカーの世界はどうでしたか

インディ500の時なんて、現地に着いてもまだ契約がまとまってなくて、走れるって決まったのが、前日だったからね。あまり満足な体制で走れなかったというのがあって、感想と言われても難しい部分はあります。ただ、特徴としてはCARTもそうだけど、F1と比べてレースの時間が長いから、とにかく疲れる。170ぐらいまで上がった心拍数を、2時間保つわけですから。F1は瞬発力、インディは持久力という印象が強いですね。

中野信治
中野信治

―じゃあ、レース中のイエローコーション(黄旗)がありがたかったり…?

本当に唯一の助けだね。特に夏場なんかあれがないと持たないよね。トレーニングに関しては、F1時代から他の誰にも負けない質と量の自信はあったけど、その当時と比べても体重が10kg増えたくらい、よりハードな筋力作りが求められましたよね。

 

―インディカー・レースの面白さってどの辺に感じました?

非常にアタマを使う点ですね。燃費作戦を例にとると、レース中ドライバーは無線でチームと連絡を取り合い、今、1ガロンで何マイル走れているかを知りつつ走っている訳です。この燃費で走ったら、どこでピットに入ることになるのかを考えて、走り方を変えたり、ミクスチャーを調整したりしています。このように燃費を調整することで、ピットに入るのを1周遅らせたりもできる訳です。

―当然他のマシンもさまざまな作戦を仕掛けてくる…

もちろんですね。例えば、前の車が遅いとする。でもこの車は、燃費作戦を取っているから遅いのかも知れないんです。それをこっちは一生懸命抜かそうとして、余計に燃料を使ってしまい、結局2〜3周早くピットに入ることになってしまったり。そういった駆け引きが、レース中ずっと続いていく訳です。

―来年もインディカー・シリーズがメイン?

その通りです。ただ、一握りのトップドライバーを除いて、今はドライバーには厳しい時代。なかなか簡単にはシートを獲得できないですよ。だから来年も即、全戦参戦とは考えられない。その中で、出来ればまずは開幕4戦に出場したいなと。スタートラインは他のドライバーと同じでいたいですからね。

中野信治
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