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―鈴木亜久里さんが新たに立ち上げたプロジェクトから、ロジャー安川選手がデビューして話題を呼びましたが…
はっきり言って、ロジャーはうらやましい(笑)。これはちょっと彼に嫉妬してしまうくらい、良いことだと思いますよ。チームに日本人がしっかり入って、高い意識を持って取り組んであげることで、今まであった壁がひとつなくなったと思う。そういった手助けを、もっともっとしてあげられる日本のレース界であって欲しいよね。 |
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―中野さん自身は18歳で渡英した経験をお持ちです
初めての外国でしかも年間22戦、毎週のようにレースがありました。ヨーロッパ中を回りながら、全てが初めてのことばかり。でもひたすら、勝つことだけ考えて走ってましたね。そして、レースが終わったら自分でデータをまとめて、1日中眺めていた。今の自分のスタイルはここで構築されましたね。
―そこで一番強く感じたことは?
同年代のライバルたちと戦って、彼らの集中力とハングリーさにショックを受けました。それでそのメンタリティを少しでも理解したくて、本を読み始めたんです。常に生死を賭けて生きていた、戦国時代の人たちを題材にした歴史小説を片っ端から読みました。翌年からは海外へ大量に本を持ち込んで、移動時間はずっと読書に充ててましたね。 |
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―日本と世界、最大の違いはそのメンタリティにあると?
センスとスピードだけを考えたら、日本人は決して劣っていないと思う。だけど、天才は世界中にいる訳だから、プラスαがないと打ち負かすことは出来ない。プラスαとは何か。それがメンタリティだと思います。海外のレーサーと日本人とでは、勝利ということへの考え方が、決定的に違いますからね。勝つためにレーサーとして何をするべきか、それをもっと明確に理解することから始まると思う。 |
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―では、日本にも逸材はいると?
もちろんいますよ。残念ながら僕は天才ではないので、努力するしかないんだけど(笑)。ただ、日本にいると敵がいないから、高いメンタリティを保ち続けられないんだよね。やっぱり、ずっと日本にいたらダメだと思う。 |
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―そういったことを、もっと多くの若いドライバーに知って欲しいですね
本音を言うと、僕には気が短い反面、気弱な部分もある。もしかして、レーサーに適さない人種なのかもしれない。だけど、多くの人たちに支えられて、さまざまな経験をさせてもらえた。だから、僕がレースに勝てば、これまで体験できたいろいろなことを、もっと多くの人たちに伝えることが出来ると思う。日本のレース界をより強くするためには、僕が勝つことがきっと重要だと思うんです。自分を含めて、世界と互角に渡り合える日本のレース界を作っていきたいですからね
どうもありがとうございました
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